この記事はnoteの転記です
『などらきの首』収録の『居酒屋脳髄奇譚』にて「ドグラ・マグラの脳髄論」が出てきた際に
そう言えば数年前途中で挫折してそれきりだったなと気づいて読んだ本。
今回は読み切った、心が2度ほど俺かけて1か月ほど放置することを2度繰り返してしまったので
1月中旬に読み始めたのに読了したのは3月末だった。
そもそもドグラ・マグラとの出会いはだいぶ前に遡る。
その昔『極上文學』という舞台シリーズがあった。それに推し俳優が出た回があり、それがドグラ・マグラだったのである
昔も昔、2014年だった。12年前?!??!?!
ちなみにマジでぶっちゃけ申し訳ないけども中身はほぼ覚えていない。
ただ、原作がブーンではじまりブーンで終わるループものであるため、この舞台作品は起承転結の4パートで分けた上
「起から始まる回」「承から始まる回」「転からはじまる回」「結からはじまる回」の4パターンで上演していた、
ということだけ覚えている。
見に行った結果よくわからんけどおもろくはあった、と思ったのだ。
思ったので直後青空文庫で文章を見つけて読み始めたのである。
読み始めて、このときは『キチガイ地獄外道祭文』で心が折れたのであった。
バカ正直に「スカラカ、チャカポコ。チャカポコチャカポコ」も読み飛ばさずに字面を追っていたのが行けない。
読み飛ばせそこは。なんかここで完全にくじけて読むのを辞めてしまったのであった。
全量の1/4いくかいかないかである。脆弱め。
つまり12年ぶりの再挑戦である。干支が一周している。
ちなみに、僕はここ数年、ラヴクラフト全集を読み進めては心が折れ、読み進めては頓挫し…
を繰り返しながら全7巻中4巻まで読み、1・2巻を再び再読する、という行為をしているんですが、
これが功を奏しているのか、地獄外道祭文もなんなく読み進められた(そこまでは何なら問題なく読める)
なんなら『祭文』である以上、「めちゃめちゃ声に出して読みたい日本語」のリズム感なので(実際に声に出して世ならヤバいが)テンポ良く読める部分ですらあった。
なんでここで以前は心が折れたんだ。
そして、その後のインタビュー文字起こしも、論文も遺言状すらも割とスラスラと読めたのであった。
というか遺言状からが結構ノンストップで読み進められた。
このあとの「私」と「正木博士」との対話あたりからは心が折れるどころか読むのを止められないという勢いで読み進められる。
多分なんですけど正木博士の相手を小馬鹿にした物言い・書きぶり、のパートがあまり得意じゃないんでしょうね…読んでて。
ただ、ここまで「読み始めた経緯」と「いかにして読み進められたか」を書いているんですが、
感想を書いていなくて。…感想書きづらすぎないですかこの文章。
読了感としては凄まじい速度のジェットコースターに振り回され続けていた怒涛感
があるんですが、果たしてじゃあその中身はどうだったのかと言われると、個人的には「無」なんですよね。
作中文章として説明される事柄や、博士たちから語られる内容から、どうやらこういうことが起きたらしい
という事件自体は見えてくるんですが、どうしても肝心な主人公たる「私」は物語の始まりから記憶がないまま
物語の終盤に居いたってもなおその記憶は戻らず終わってしまうわけで、「問題の解決」が一切なされないじゃないですか。
全て騙りと妄想の可能性すら否めない可能性がずっと残り続けている。
『本当はどうであったのか』が何も見えてこない、おそらく9割9部”そう”なんだろう、というところまで
手が届いているのに最後の確認を掴むことなく物語が振り出しに戻ってしまう。
という構造が面白いんだとは思うんですけど…あっけにとられる部分もあり……
それも含めてジェットコースターだったな…。
ものすごいレベルの絶叫マシーンに乗せられて、降りた後に呆然とする感覚…。
まぁ、僕は絶叫マシーン得意なのでそうなったことってないから想像で言っていますけど。
なので、結論として「経験として読んでよかったな」という感想、になってしまう気がします。
中盤の論文周りについては「面白い考え方を見たな」と思っているし…。
どこの文章だったか…胎児の夢のあたりだったか…結局人間って毎晩眠ることで生まれ直してる
みたいな考え方はすごく刺さったので大事にしようと思いました(?)
こう…怠惰に過ごしてしまったときに、来週から頑張ろうとか来月から頑張ろうとか
立て直すことを先延ばしにする癖があったんですけど、これを読んでる途中から「
翌日から心機一転しよう」が比較的できるようになったんですよね…
おかしいな、ドグラ・マグラ読むと気が狂うと聞くんだけども真人間…もとい真猫になれてきてるんだよな…
もともと狂っていたということ?
とはいえ、これを書きながらいろいろ説明文考察文を見ていて、
作品でもド序盤の話なので忘れていたんですが、この作品の中において、この作品自体を語っているとしか思えない
「ドグラ・マグラ」という書物がでてくるんですよね。内容の説明はあるものの主人公は読まなかった本。
せっかく通読できたので、年内か…1年経つ化した頃、全景が見えている状態で再読するのは、面白いかも知れないな…
日本三大奇書(四大奇書とする人もいると聞きました)をコンプしたい気持ち…ありますね。